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ED治療の三大方法のなかから、東京都内のいくつかのクリニックで受けることができる「ICI治療(自己注射療法、陰茎海綿体注射療法)」のメリット・デメリットを解説します。
ED治療薬の存在は世間に認知されてきましたが、副作用の問題や持病で服用している薬との兼ね合いでバイアグラやシアリスが処方してもらえない人がいるという課題も出てきました。
そうした方々のニーズを背景に広まってきたのが、陰茎海綿体に薬剤をダイレクトに注入する「ICI治療」です。
陰茎に薬液を直接打ち込むため、ED治療薬で効果が感じられなかった人や、脊髄損傷などで神経が傷ついてしまった人(通常の性的興奮による勃起ができなくなった人)でも勃起させることができるとして「ED治療の最後の砦」と称されているICI治療。
しかし、ED治療薬を使う方法との違いや、治療方法・金額面などから複合的に考えると、決してデメリットのないパーフェクトな治療法というわけではありません。
ICI治療の具体的な方法や効果、そして「自分でペニスに注射する恐怖をのりこえないといけない」「必要以上に勃起が持続してしまう」といった問題点、その他「注射1本あたりの費用」について、私見も含みますが情報をまとめてみました。EDを本格的に治療したい方、特にICI治療に興味のある方は、知識を深める意味で一度お読みいただきたいと思います。
バイアグラやシアリスなどのED治療薬が効かない、あるいは持病の関係でED治療薬を処方してもらえないという方にも有効な、ICI療法についてまとめているページです。
ICI療法(Intra Cavernous Injection/陰茎海綿体注射)とは、医者によって調合されたプロスタグランジンE1製剤(血液のさらさら効果や血管の拡張効果がある)を、陰茎海綿体にダイレクトに注射するというED治療です。
なんと海外では治療をうけた方の多くが勃起高度が増大したとのことです。
【PDF】参照元:ED診療ガイドライン第3版(https://www.urol.or.jp/lib/files/other/guideline/26_ed_v3.pdf)
【参考文献】:Hatzimouratidis K, Salonia A, Adaikan G, Buvat J, Carrier S, El-Meliegy A, McCullough A, Torres LO,Khera M. Pharmacotherapy for erectile dysfunction: recommendations from the Fourth International Consultation for Sexual Medicine(ICSM 2015). J Sex Med 2016; 13: 465– 488
とはいえ、ICI療法には、乗り越えないといけない高いハードルがあります。なにかというと、自分で自分の陰茎に注射を施す、いうなれば「自己注射型」の治療方法だということです。
注射に関しては、糖尿病のインシュリン注射と同じで「針は髪の毛程度の細さで、深さもわずかだから痛みはほとんどない」と言われてはいます。とはいえ、自分のペニスへ注射針を!というのは、かなりの恐怖を乗り越える必要があります。
他にもICI療法には少し抵抗を感じる場面が多々あります。たとえば、クリニックに何度も足を運んで勃起度を計測したり、注射指導を受けたりするために、ペニスを医師の前で何度も露出しなければいけません。
さらに、「シチュエーションに関係なく勃起してしまう」「射精後も勃起が治まらない」という困った問題も指摘されています。
コストの面については、注射一本あたり6,000円から1万円といったところです。勇気と根気が求められ、ED薬より費用もかかるのが実情。ICI療法が「ED治療の最後の砦」といわれるのが、少しわかる気がします。
ただ最近は、震動によってペニスの血管を増やし、EDを治す新たな治療も登場してきています。こちらは、治療を受けてから自力で勃起できるようになるまで半年~一年ほど時間が掛かるのがネックですが、若いころの勃起力を取り戻せるかもしれません。
医療技術の進歩に伴い、患者さんへの負担が少ないED治療も登場していくものと思われます。それぞれの治療法のメリット・デメリットを踏まえた上で、自分に最適と思われる治療方法を選択してみてください。
ここでは、ICI治療(自己注射療法)のEDへの効果や副作用をまとめています。
ペニスの海綿体に薬剤を直接注射することで、ペニスの血管を拡張し、強制的に勃起を促すICI治療。
飲み薬などと違い、ペニスを中心にダイレクトに働きかけます。薬剤が全身に回ることもないため、「持病などが原因でED治療薬が使えない」という人にも有効とされる治療法です。
ただ、ICI治療は日本では正式に認可されておらず、医師から指導を受けつつ自己責任で行う必要があります。
注射の流れとしては、性行為前に注射器で血管拡張剤をペニス(海綿体)に直接注入。5~10分程度で勃起に至り、その状態が一定時間続きます。
ICI治療の特徴は「海綿体に成分が長くとどまる」という点にあります。薬が欲しい箇所にピンポイントに行き渡るので、効果が出るまでの時間が短く、また長く勃起状態を維持することができるようになるのです。
しかしICI治療は性的刺激による勃起ではなく、あくまでも薬で強制的に勃起させている状態。それによって性的快楽が得られるかどうかは微妙なところです。
また、あくまでも一時的な勃起を促すもので、根本から治す方法ではありません。
根本からのED治療ができないという意味では、ED治療薬を使う方法と変わらないといえるでしょう。
副作用のリスクもまったくゼロというわけではありません。作用が強すぎて、勃起状態が長時間に及ぶというケースは、そのメカニズム上避けられない問題です。長いときには勃起が4時間以上続くこともあり、そうなると医師への相談と早急な対処も必要となるでしょう。
ICI治療を受けるにあたっては、非常事態に備えて、常にドクターとの連携がとれる状態にあることが重要です。
薬で治らないEDでも強制的に勃起させることはできますが、ICI治療により性行為に及ぶためには、様々な条件をクリアする必要があることは覚えておくとよいでしょう。
最後に、ICI治療に関心のある方のために、おすすめの都内のクリニックをピックアップしました。各院の特徴や所在地・診療時間等をまとめましたので、こちらの情報もクリニック選びの参考にしてみてください。
ED治療をするなら、予約制で治療中の人とバッタリ会わないようにしたいし、クリニックに通っていることを人に見られないように駅からすぐにアクセスできるところがいい。それに自分の状態にあった治療法を提案してもらいたい。そこでこのサイトに掲載するクリニックのなかから、予約制で最寄り駅から徒歩1分以内にアクセスできるところを治療方法の種類の多い順(同率の場合は50音順)に4院紹介します。(2019年6月時点の調査)
【衝撃波治療】
施術時間は20分程度。施術中は軽い衝撃を感じるだけで、痛みは特になく、施術中および術後にも痛みや腫れはありません。費用は1回110,000円ほど。また治療中及び治療後に報告された重篤な副作用はありませんが、次のような軽度の副作用があります。①抗凝固剤を服用していて出血傾向がある場合などで、まれに皮下出血などを引き起こす可能性があります。②衝撃波が骨に当たることで痛みを感じる可能性や、施術中・施術後、照射部に一時的な軽い痛みを感じる可能性があります。
【SCMs(幹細胞)パワー注射】
臍帯間葉系幹細胞サイトカイン注入のための注射。1回~数回。非常に細い針を使用するため、痛みはほぼ感じません。費用は1回110,000円。リスクとして、注射の穿刺時の痛みや内出血を引き起こす可能性があります。
【SCMs 点滴】
臍帯間葉系幹細胞サイトカイン注入のための点滴。費用は1回66,000円。比較的起こりやすい副作用として、点滴刺入部に局所的な痛みを感じる可能性があります。
【歯髄幹細胞培養上清液(SGF)ED治療】
陰茎海綿体の内皮細胞の再生を促す治療で、ペニスの根元に小さなヘアバンドをはめて、陰茎海綿体の左右に1回ずつ、計2ccの上清液を注射します。平均治療期間は週1回×4週間の計4回。超微細の針で打つので、通常の注射のような痛みはほとんどありません。費用は不明です。稀に、注射による穿刺部の痛み・内出血・神経障害などの副作用が起こる可能性があります。